ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

政治

秋田知事選は「政党の争い」だったのか?
政治
2009年4月14日 09:56

 12日に投・開票が行なわれた秋田県知事選挙で、自民・社民両党が推薦した佐竹敬久氏が、民主・国民新党が推薦した候補を破り当選した。大半の大手マスコミは、千葉県知事選に次いで民主党推薦候補が敗れたとして「小沢神話の崩壊」とばかりに書き立てている。あたかも民主党が敗れたかのような記事も目立つ。この際、こうした論調に異議を唱えておきたい。
 
 そもそも、知事や市町村長などを選ぶ首長選挙は、政党間の争いであってはならない。それぞれの候補者が地域の現状をどう認識し、ふるさとの未来像をどのように提示するかが問われるべきものだ。もちろん、政党のマニフェストを掲げて戦うわけでもない。多くの候補者が「無所属」での立候補を選択し、「県民党」「市民党」を名乗るのは、政党色が出すぎると有権者の幅広い支持を得られなくなるからに他ならない。そうした状況下での選挙の勝敗を、政党の代表の責任に帰すべきとは思えない。もちろん、首長選挙の結果と来るべき国政選挙の勝敗を安易に結びつけるのも間違いだ。
 
 千葉県知事選では、タレントの森田健作氏が初当選を果たした。同氏の知名度が群を抜いていたことは誰もが認めるだろう。前回知事選で善戦したことも今回の勝利につながっている。もちろん、宮崎の東国原、大阪の橋下両知事からの流れがあったことも大きい。タレントとして培った情報発信力に対する県民の期待である。極端な話、森田氏が民主党推薦であっても当選したはずだ。
 12日の秋田知事選はといえば、なぜか社民党は、当選した佐竹氏を自民党とともに推し、野党陣営は分裂。これでは勝てるはずがない。当選した佐竹氏は、旧秋田藩主佐竹家の流れとされ、秋田市長としても評価が高かった人物。野党が団結しても歯が立たない候補者だったかもしれない。千葉・秋田の地域事情を考慮すれば、民主党が負けた、自民党が勝ったという話ではないことが分かる。

 一方、政党色を意識し過ぎるあまり、当選した知事自身に危機が訪れている。千葉県知事の森田健作氏が「自由民主党東京都衆議院第2選挙区支部」の支部長でありながら、選挙中「完全無所属」と公表したことが公選法違反(虚偽事項公表)にあたるなどとして、15日にも刑事告発されるという。それほどまでして政党色を排除しようとした森田知事の苦心と勝利を目の当たりにしても、大手マスコミは森田氏勝利を自民の勝利、民主の敗北と位置づけるのだろうか。
 
 自民党復活、民主退潮、そうしたマスコミの論調の裏に、「小沢辞めろ」の声が透けてみえると言えば穿ち過ぎだろうか。ただ、ふたつの知事選が、小沢氏や民主党の責任であるかのような報道内容に違和感を覚えることだけは確かである。
 筆者は、地方自治体の首長選挙には、政党が口を出すべきではないと考える一人である。首長は、いかなる政党支持者であっても、あるいは無党派を名乗る人であっても、等しく接すべきだ。首長選挙を政争の道具とする政党のあり方や報道は、厳しく戒められるべきだということも付け加えておきたい。

【頭山 隆】

※記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

政治一覧
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年12月14日 14:15
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年12月13日 15:29
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年12月13日 15:00
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年12月13日 12:16
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年12月13日 10:28
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年12月12日 07:00
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル