後世に伝えたい商売の心得(後)
(株)博多桃太郎 相談役 西村 徳蔵
しかし人間には、どんなに貧しい国でも、どんな辺鄙なところでも生活できる力があります。世界を回ってみれば、「よくこんな所で生活できるなあ」と肌で感じるくらい、そこには人間のたくましさがあります。
これからの商売は、企業として従業員に生きる意欲を持つ場を与え、従業員はそうした意欲を持って仕事に臨むことが大切になってくるでしょう。その上で、業種・業態によって、またその地域に合った、取り扱うべき商品をしっかりと把握して決めていき、その商品が売り切れる個数まで読みきる力が最も重要です。
仮に一万個売れる商品を3000個しか仕入れなかったら、あとで7000個追加したとしても、その時はもう売れません。それほど流行のスパンが短くなっています。これはメーカーにも小売にも言えることです。また、飛ぶように売れる商品はあとで追加しようにも、メーカーに在庫が無い場合がほとんどです。そのような商品は他の店でも取り扱っており、仕入れで競合するからです。
売れる商品、その値段と個数を読む力があれば商売は成功します。しかし、これが難しい。机上の勉強だけでは不可能です。実地で応対しながら、お客様の声を聞き、時代の流れを掴むことでフィーリングを磨いてください。「これは売れる」と感じられる能力を身につけてください。
お客様の声と時代の流れを掴みきれる人は成功します。成功しないのは、掴める立場にあっても掴めない人が多いからです。それはつまり、本当の意識を持ってないということです。現場で担当も指示もしながら、能力もあるのに、日々の業務に追われてしまい意識が飛びがちになることは多々あります。
そんなときでも、特に小売は「どんな商品がどれくらい売れるのか」を常に意識しておき、繰り返し現場で経験していくことです。
「この世の中で、人が物を買わなくなる事はない。売れる物は必ずある」
これが、私が長年商売をしてきて、ぜひ皆さんに覚えておいていただきたい言葉です。「商品が足らない」とか、「不景気だから物が売れない」とか言い訳する前に、売れる商品を選別する力を身につけてください。
そういう意味で、商売というのは先を読むのが難しくもあり、楽しくもあります。ただ、一朝一夕ではその境地には辿り着きません。日々勉強をし、現場で経験し、そして自らの能力を磨く必要があります。
商売は奥が深いです。私の言葉が、皆さんのこれからの商売に少しでもお役に立てば幸いです。
~つづく~
JR博多駅で九州~山口の≪地域限定≫キャラクターグッズを数多く取り揃えている(株)博多桃太郎。その同社の歴史を余すところなく書き記した本が完成しました。無料で配布しておりますので、御入用の方は092-431-6575(名店街店)までお問い合わせください。 【語り手】 西村徳蔵 <(株)博多桃太郎 相談役> 西村信子 <徳蔵の妻、徳久の母> 西村徳久 <(株)博多桃太郎 代表取締役社長> 【書き手】 大根田康介 <(株)データ・マックス記者> 【写真提供】 (株)博多ステーションビル 博多駅ビル名店街・地下街商店会事務局 |
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