07年に福岡市が公表した、「アイランドシティ整備事業及び市立病院統合移転事業『検証・検討』チーム」の会議の「議事要旨」には、出席した市職員の全てを記載していなかったことが明らかとなった。データマックス取材班が福岡市に情報公開請求して入手した文書と「議事要旨」を比較して確認したもの。
こども病院移転を決めた経緯をめぐり、福岡市の隠蔽体質に批判が集まる中、事実上同病院の人工島移転を決定付けた「検証・検討」についての公表事項の不正確さが浮き彫りとなった。
データマックス取材班が福岡市に情報公開請求して入手した文書は、「検証・検討会議で使用された全ての文書」。この中に、31回開かれた検証・検討会議のそれぞれの日時や議題が記された文書が存在した。会議の進行のため配布したものと見られるが、同文書には出席者の名前と肩書きが明記されている。ところが、公表された検証・検討会議の「議事要旨」の出席者欄には、前述の文書に記された何名かの職員の名前が抜け落ちていた。(文書参照)
担当課に確認したところ、課長級以下の職員は「事務局」であり、検証・検討チームの一員とは見なさないとして議事要旨には記入されなかったという。福岡市がいう「チームの一員」とは、議事要旨に記載された部長級以上の幹部職員を指すのである。会議に出席して発言した職員がいながら、事務局だから出席者としては公表しないというのでは正確な記録とは言い難い。公表された検証・検討会議の議事要旨は、全てを伝えているわけではないということになる。
さらに、これまで市民団体などが「検証・検討チームの一員」として認識していた職員が、実は「事務局」として区別されていたことで、一部の職員が情報公開請求の対象などから漏れていた可能性が浮上する。福岡市の対応に改めて警告を発しておきたい。
ところで、今回情報公開請求で入手した「検証・検討会議で使用された文書」からは、さらに新たな事実も見つかっている。「議事要旨」にも、前述の議題や課長級以下の出席職員まで記した文書にも記載されていない市職員の会議出席者がいたのである。
(つづく)
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