恵まれた環境に育つ我々日本人にとっては、降水量不足にでもならない限り、水に困ることはない。10数年前、私が小学校の頃、福岡市は水不足となり、夜になると水が使えなくなったことがあった。水に関して不便を感じたことと言えばそれぐらいだろうか。
カンボジアは抱えきれない程の多くの問題を抱えている。その一つが水の問題だ。インフラが整っていないカンボジアでは、電気・ガス・水道が通っていない地域が多くある。水については、様々な団体の支援により井戸を掘るなどの取り組みがなされているが、それも一部の地域での話。井戸を掘っても出ない地域もある程だ。
生活用水には主に池や川の水、雨水が利用される。数キロ離れた池に水を汲みに行ったり、水瓶に雨水を溜めたりして水を確保する。洗濯、水浴び(シャワーの代わり)、食器洗い・・・。特筆すべきは、飲み水までもが池の水や雨水であるということだ。沸騰させるわけでもなく、そのまま飲む。そのため、あらゆる病気にかかり命を落とす人もいる。さらに言うと、カンボジアは、乾季(11月上旬から5月中旬)があり、特に我々が行った2月はほとんど雨が降らない。実際、ツアー期間中(10日間)、一度も雨が降ることはなかった。水瓶の中までは確認できなかったが、随所に見掛ける池や川の多くは干乾びていた。
ツアー中、カンボジア人の生活風景まで覗き見ることはなかったが、バッタンバン州にあるボップイ安倍小学校を訪問した時に子ども達がとったある行動に衝撃を受けた。(つづく)
【楢崎 賢治】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら