福岡市港湾局長 岩瀬 信一郎氏
歴史的にアジアとの窓口であった博多港。グローバル化の中で、その役割に対する期待は一層高まっている。そうした期待に応えるため、福岡市港湾局は港の整備、管理・運営、集客などに取り組んでいる。「博多港の発展なくして福岡市の発展なしという思いです」と語る岩瀬信一郎港湾局長(肩書きはインタビュー当時)に博多港の現状と課題、九州・アジア新時代の交流拠点都市づくりの中での役割などについて伺った。
課題はC2コンテナターミナル拡張整備と土地分譲
――現在抱えておられる課題は?
岩瀬
「みなとづくりエリア」に関しては、C2コンテナターミナルの整備と土地分譲ですね。C2は奥行き150mまでしか整備していませんので、09年度中に350mまで整備します。これができれば、C1と合わせて40~50万TEUの貨物取り扱いになると思います。
「まちづくりエリア」に関しては、博多港開発株式会社工区の分譲予定面積の約85%は売れるめどが付いていますので、残りの15%をどう売っていくかです。健康未来都市構想があり、新市民病院が立地しますので、医療機械や薬剤など、関連産業の集積を図っていきたいと考えています。それと併せて、まちづくりエリア北側の市工区の分譲に取り掛かるという流れです。
――土地分譲については、吉田市長もトップセールスを行なっておられますね。
岩瀬
そうです。イヌイ建物さんに土地をご購入いただく際には、市長が3回ほどお伺いし、お願いした経緯があります。節目節目で市長にも、そういう形でのトップセールスをお願いしております。
――土地分譲に関して、世界不況の影響をどう見ておられますか。
岩瀬
物流にどれ程の影響があるかが問題なんですね。物の動きに少し影が差してきていますので、しっかりと集荷対策をしなければいけないと思っています。九州内には国内はもとより、海外市場向けの製品を製造する各種工場がありますが、必ずしも九州の港を利用されず、たとえば神戸など九州外の港まで輸送して、船積みされている企業もあると伺っています。そういう貨物を博多港に集めたい、貨物が集まってくれば土地も売れるだろうと思います。確かに厳しい状況ですが、努力して乗り切るしかありません。
C2コンテナターミナルの整備に伴う大水深連続バースによって大型船が接岸しやすくなり、2月上旬には約9万5,000tの大型コンテナ船が入りました。また4月からはガントリークレーンが5基体制となります。世界の傾向であるコンテナ船の大型化にも対応できる港、使いやすい港になったことをPRしながら、誘致を進めていきます。
※記事へのご意見はこちら