(株)サニーライフ
北九州市は政令指定都市のなかでも高齢化が最も進んだエリアである。その影響もあってか、葬儀場の数は一説には100を超えると言われており、葬儀会社各社の熾烈な競争が続いている。そのなかで、冠婚葬祭互助会運営会社として北九州地区トップクラスの業容を誇るのが、㈱サニーライフである。同社は北九州市内に11箇所の斎場「明善社」を有しており、結婚式場「アートクレフクラブ」は人気TV番組「一億人の大質問!?笑ってコラえて!」でも放送されるなど結婚を控えたカップルに高い支持を得ている。厳しさが増す日本経済のなか、互助会の現状を中心に同社の今後の戦略と目指すべき将来像をレポートする。
(株)サニーライフ
COMPANY INFORMATION
代 表:大西 孝英
所在地:(実質)北九州市戸畑区初音町6-4
(登記上)北九州市小倉北区大手町5-52-11-26
設 立:1971年12月 資本金:4,800万円
業 種:冠婚葬祭互助会
TEL:093-882-1171
<4月1日付で大西孝英氏が新社長に就任>
同社は1969年3月に冠婚葬祭助成会を発足したのが始まりで、2年後の71年12月に㈱北九州冠婚葬祭助成会として設立されている。現商号に社名変更したのは、83年のこと。また今年4月1日には、大西孝英氏が代表取締役社長に就任。同社に入社して22年間で学んだ様々な経験や知識を活かして、社長という新たな立場で陣頭指揮を執ることとなった。
現在、同社は「明善社」の名称で葬儀場を11箇所(その他に法事会館1箇所)展開しているが、その全てが北九州市内である。これは「地域に根ざした冠婚葬祭サービスを提供していく」という同社の理念に裏打ちされたもの。実際、大西社長が取材のなかで何度も繰り返し口にしていたのが、「地域に根ざす」「地域密着」「地道」という言葉であった。そのため、今後も他社の買収や圏外への進出などに興味はないという。
また、地域密着戦略のなかで、同社はこれまで以上にお客様との接点を増やし、顧客管理を大切にしていく方針である。このなかでひとつの重要なテーマとなるのが、北九州市というエリア独特の高齢化及び孤立死の問題である。大西社長はとくにこの「孤立死を無くしていきたい」という。これは、地域のなかに入り込んでいくようなシステムを作ることで、孤立死を防ぎ、ひいては故人のためにも家族・親族揃った葬儀を執り行ないたいという想いがある。また孤立死を無くすということは、業界のイメージ向上にも繋がり、十分な社会的な使命・意義があるとしてこの問題には業界全体で取り組んでいく計画である。
さらに「地域密着」の戦略に加えて、今後欠かせないのが社員教育である。とくに同社は葬儀場が主体となるため、どうしても若いスタッフよりは50歳近い年配のスタッフが中心となり、またそのほうがお客様からの信頼も厚い。しかし、採用してから一人前になるまでには3年は必要とのことで、長期的な視野での社員教育に取組んでいる。社員に求める資質としても、葬儀ビジネスの特性、つまり24時間いつでも働けるという姿勢は持っていてもらいたいという。そのため、現在の人材採用では、サービス業を経験している中途スタッフを中心に採用を行なっているという。
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