北九州の大学経営者に聞く
―北九州市立大学阿南理事長
≪若手、中堅でもやる気のある先生方を責任ある立場にどんどん起用して、次世代の大学を背負っていただけるように組織づくりを進めています。≫
副社長も経験した経済界出身者として、新しい大学経営を期待され北九州市立大学の理事長になった阿南理事長に就任4年間の取り組みを聞いた。
阿南理事長―
まず就任時に学長をはじめ幹部と話し合い中期目標を立て、独立法人として果たすべき課題を169項目挙げ、この4年でほぼ90%以上は処理してきました。
お陰様で、昨年に日本経済新聞社が行なった「大学の地域貢献度調査」で北九州市立大学は日本一の評価をいただくことができました。これは先生方、学生、職員、地域の皆さんの一体となった協力のおかげだと思います。
社会人の方に望まれる市民講座の開設、地域問題への調査協力、中高等学校への出前講習、工学部の産学連携などきめ細かく地域のニーズにあった展開を進めることができた成果だと思います。
こうした本学の取り組みをもっとPRして、更に地域との連携を進めていかなければならないと思います。
一方、大学の経営面ではまだまだ問題もあります。
経済界と比べると仕事を進める上でのスピードやコスト意識は十分だとは言えません。先生方の意識も変わってきていますが、本当に成果を挙げるにはまだ時間がかかるでしょう。
ただ学長とも話しながら、若手、中堅でもやる気のある先生方を責任ある立場にどんどん起用して、次世代の大学を背負っていただけるように組織づくりを進めています。
また一般教養を高めるために「基盤教育センター」を作ったり、地域に必要とされる社会人育成のためビジネススクールも開設して3年になります。
今年初めてビジネススクールから卒業生を出しましたが、企業だけでなく、公共団体、役所、病院など地域で求められるスキルを学んでいただき好評を得ています。(つづく)
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