吉田宏福岡市長 |
14日の定例会見でこの刑事告発について見解を聞かれた吉田市長は「コメントする立場にない」「友人たちが応援しようとやっていたこと。私は私の方として、自分で活動していた」と、他人事と言わんばかりの答弁に終始した。しかし、この市長の発言は、無責任というより虚偽の疑いさえある。
「ふくおかFUNクラブ」は、市長選挙の折、吉田市長の確認団体となった政治団体である。選挙期間中は候補者用の選挙カーとともにFUNクラブの街宣カーが走り回り、吉田陣営の印刷物の大半は、選挙前からFUNクラブのものばかりだった。市長の選挙事務所が置かれた中央区警固のビルにはFUNクラブも同居していた。つまり吉田市長の政治活動、それに続く選挙運動は「ふくおかFUNクラブ」を中心にして進められたと言えよう。市長がいう「私は私で活動した」との言い分は実態とかけ離れている。
さらに、ふくおかFUNクラブの収支報告書を確認したところ、07年分の表紙部分に記された同団体の連絡先「担当者」は、吉田市長夫人の名前が記されていた。それでも市長は「コメントする立場にない」と言い張るのだろうか。
吉田市長の選挙については、就任直後から疑惑がつきまとってきた。選挙カーの公費助成をめぐる不正、暴力団関連企業からの事務所賃借、そうした問題が発覚するたびに「私は知らない」との態度で、あるときは選挙スタッフに、またあるときは推薦した民主党県連に責任を押し付けてきた。今度は「友人」と「夫人」に丸投げするということだろう。
一事が万事というが、確かに市政運営についても役人への丸投げに徹している。市長失格である。
人工島、こども病院、飛行場と公約を次々に反故にする吉田市長だが、「不信」の市政では未来を切り拓くことはできない。
【市政取材班】
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