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政党交付金の功罪
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2009年4月21日 11:21

 今年第1回目の政党交付金が20日、共産党をのぞく自民、民主、公明ら7党に支払われた。総務省によれば今回の交付総額は約79億8,000万円で、年間では約319億4,000万となる。
 1994年、「政党助成法」が施行され、国民の税金が政党に投入される仕組みができた。現行の同法は、国会議員が5人以上の政党か直近の国政選挙で2パーセント以上の得票率を得た政党を交付対象としている。無所属議員には助成金は交付されていない。国民ひとり当たり250円(赤ちゃんから老人まで)が各党に配分されている計算となる。この15年間で政党が受け取った総額は約4千720億円にものぼる。西松建設のダミー団体による違法献金事件で「政治とカネ」の問題が注目をあびるなか、政党助成のありかたにも検討が求められているのではないだろうか。いくつかの問題を提起しておきたい。
 
 第一は、政党の収入の多くが税金に依存していることの是非である。政党とは自発的な結社であり、国家からの自立が、自由な政党活動の前提である。しかし、現実はそうではない。ちなみに2007年の収支を見てみると、自民党が収入総額約252億9,000万円のうち政党交付金は約166億円で交付金依存率は約66%。野党第一党の民主党は、約131億円の収入で政党交付金は約110億6400万円。依存率は何と84%に達する。裏を返せば、自前の収入は16%でしかなく自力での財政力はないということである。個人献金が根付かないといわれるわが国の政治風土ではやむをえない一面もあるが、こうした実態が健全なのかどうかは議論されるべきであろう。

 次に政党交付金の総額の算出方法は「250円×人口」となっているが、その根拠が妥当かどうかという問題がある。94年の法制定時は「コーヒー1杯分」の金額という根拠薄弱なまま見切り発車したが、果たして「赤ちゃんから老人まで」含めるのが妥当かどうかは、もう一度検討の対象になるべきだ。

 もともとこの政党助成法制定は、93年から94年にかけての自民党の金権腐敗政治が発端である。政治改革への機運が高まり、「小選挙区制」とセットで作られたものだ。この時の謳い文句は、企業・団体からの献金をなくすかわりに国民から「コーヒー1杯分」の資金を頂戴し、政治に参加してもらうというものだった。しかし、1995年からの5年間は政党助成金と企業献金を受け取る「二重取り」状態が続いた。99年にようやく政治資金規正法が改正され、翌年からは政治家個人への企業・団体からの献金は禁止された。しかし政党と政党支部への献金の道が残されたことで、事実上の「迂回献金」が横行する結果を招来している。国が約束を反故にしたといっても過言ではない。こうした観点からも政党助成のあり方には疑義が生じている。
 
 自民党の笹川尭総務会長は、BSテレビの番組で、西松事件を口実に「政党交付金を今の倍ぐらいにして国会議員に渡るようにし、企業献金は政党がもらうようにすればいい」と発言した。盗人たけだけしいとはこういうことを言うのだろう。

【武田】


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