福岡市経済振興局長 渡辺 正光氏
福岡市経済振興局は港湾局と共同し、博多港への企業誘致、博多港を利用した観光誘致などの施策を進めている。そうした活動をはじめ、経済振興局の取り組みについて、渡辺正光局長に伺った。博多港の役割に期待する渡辺局長は、アジアとの近さ、人流・物流のスピード化などのPRに力を入れていることを強調し、施策推進の決意を語ってくれた。
アジアに一番近い港という強み
――博多港への企業誘致も進めておられますが、港湾局と経済振興局との絡みはどうなっていますか。
渡辺
どこに何を立地していくかという市内全体の方針を、われわれは持っています。ももち地区、西区の九州大学周辺、アイランドシティの3カ所を大きくとらえて、企業誘致を進めていこうという方針です。港湾局は底地を持っており、そこに誘致しようとするときには一緒にやっていくことになります。港湾局は土地を売らないといけませんし、われわれは企業に来てほしいと思っていますから。
――そういう立場で、今の博多港をどう覧になっていますか。
渡辺
大きな港湾はいくつもありますので、特色を出していくことが重要だと思います。アジアに一番近い港という距離感を活用し、機能を強化していくことが必要でしょう。日本列島と大陸との距離が短ければ、時間が短縮され、リスクも軽減されます。上海との間の高速RORO船も、よそではまねできない、博多港ならではの航路です。「この航路を使っていただくと、大陸・日本間が非常にスピーディーですし、博多港からは国内のRORO船、鉄道、飛行機、自動車と、いろんな選択ができます。そういうメリットをお客さまに提供できる港です」とアピールしています。
――実際にシティセールスをされる中で、今の博多港に問題・課題はありませんか。。
渡辺
港の機能はずいぶんと充実してきました。アイランドシティはは、港の機能を有するとともに、本市の企業誘致を進める上での重点地域としての位置づけも有していますが、企業誘致を巡る国内の都市・地域間競争は激しさを増しています。経済振興局では、企業の初期投資を軽減し、この地への進出を促すために、企業立地促進交付金制度を設けるなど、企業にとって魅力的なインセンティブを整備し、早期のまちの熟成を目指しているところです。(つづく)
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