吉田宏福岡市長が、こども病院人工島移転を決める際に「軸にする」とした人工島事業の検証・検討に、またしても疑惑が浮上した。市職員による「検証・検討会議」の「議事要旨」のもとになった文書(市側は『メモ』とする)を廃棄したというのである。隠蔽したとしか言いようのない今回の事態について、市民オンブズマン福岡の児島研二代表幹事に話を聞いた。
児島代表幹事は今回の事案について「まず、市がいうところの公文書に対する考え方が違っています。議事要旨を作成するにあたって、もとになったとされる『メモ』について、市はそれを『個人の備忘録』であり公文書ではない言っているようですが、検証・検討チームが共有した文書である以上、それが「メモ」であっても公文書なのです」としたうえで、次のように福岡市の姿勢について厳しく指摘する。
「一番の問題は、福岡市に市民のミッションに応えようとする姿勢がないことです。検証・検討会議の議事要旨の原資料がないということは、その証明ではないでしょうか。市の重要な施策が決定される過程は、多くの市民が知りたいと願うところ。しかし、記録がないということでは市民の「知りたい」というミッションには応えられないでしょう。こども病院移転や人工島事業については、なぜ現在のような方向になったのか、市民が一番知りたいことのはずです」。
こども病院現地建て替え工事費水増しの根拠となった「メモ」を捨てたとして、市民団体から「公文書毀棄」で告発されている吉田市長だが、こうした識者からの声や市民の批判にどう答えるだろう。
【市政取材班】
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