福岡市経済振興局長 渡辺 正光氏
福岡市経済振興局は港湾局と共同し、博多港への企業誘致、博多港を利用した観光誘致などの施策を進めている。そうした活動をはじめ、経済振興局の取り組みについて、渡辺正光局長に伺った。博多港の役割に期待する渡辺局長は、アジアとの近さ、人流・物流のスピード化などのPRに力を入れていることを強調し、施策推進の決意を語ってくれた。
釜山市と共同で観光誘致
――上海からの大型クルーズ船の寄港に対して、経済振興局としてはどんな対策を取っておられますか。
渡辺
上海から大型クルーズ船が入ってきた08年は、「人流元年」だと思います。初めてでしたので、いろんな課題がありましたが、全体のコーディネートをしました。「中国の方はカードで買われますよ」と勧めて、百貨店などかなりのところに「銀聯(ぎんれん)カード」を導入していただきましたし、都心の商業者の皆さんには歓迎の表示をしていただきました。
また、1,000人単位で来られると20~30台のバスが必要になりますから、市役所の玄関を乗降場にしました。福岡の場合、これまで観光バスに対する意識が低かったのだろうと思います。ですから、都市整備の部署とも相談しながら、観光バスをどう都心に持ってくるかということを、真剣に検討しています。
――クルーズ船の誘致は、経済振興局と港湾局が一緒にやっておられるのですか。
渡辺
そうです。この前も上海に行きましたが、釜山市とも一緒でした。釜山と福岡を一つのものとして売り出したわけです。非常に効果があるんですよ。中国の方にお聞きすると、「中国人が海外旅行をするときは、複数の国に行くことを求めます。一番いいのはEUです」とおっしゃいます。日本の場合は他の港に行っても、なかなか2カ国とはなりませんが、博多港であれば、すぐ釜山に行けますよね。
実は8年ほど前から釜山と福岡の共同観光事業をやっており、両市長がソウル、東京、台北、上海などに行ってPRしてきました。そういう活動の延長線上として、福岡市から釜山市に「アジアゲートウェイキャンペーン2011」を提案し、両方が1つのロゴマーク、1つのPRビデオを使い、ひとつの観光圏として宣伝していく取り組みが実現しました。(つづく)
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