吉田宏福岡市長 |
市側は、「検証・検討会議」における議事録等の詳細な記録を残さなかったことについて、原資料は「個人的な備忘録」であり公文書ではないとしたうえで、すべて廃棄したと断言する。都合の悪いものはすべて「個人の備忘録」として処理するとの意思表示である。行政が公表した内容である以上、説明を求められた場合には、根拠を示す必要がある。なければ単なるでっち上げ文書となる。検証・検討会議の「議事要旨」に裏づけ資料がないということは、公文書を偽造したと言われても仕方があるまい。事実、市側は「議事要旨は偽造ではないのか」と聞いたデータマックス取材班に対し、明確な回答ができない。偽造ではないという証拠がないからである。
市側からは「何でも残すということになれば、市役所が書類だらけになる」との意見もあった。しかし、残すべきものと捨てるものについての判断はついたはず。人工島の検証・検討は、同事業を見直すとして当選した吉田宏市長にとっても、市民にとっても最大の懸案事項である。市長就任1年目でもっとも注目された施策について、その決定過程を残さずに何を残すというのだろうか。「人工島ありき」の結論だけが残されたことで、吉田市政は折り返し点ですでに死に体だ。
政策決定過程についてオープンにすると公言し、情報公開の重要性を訴えた市長の公約違反は明らかである。不利益を蒙るのが市民である以上、議会によるチェックがより重要になる。公文書と思われる重要な記録を捨ててまで隠蔽しなければならないこととは何か、
6月議会での真相究明に期待したい。
【市政取材班】
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