4月23日、アクロス福岡1階の円形ホールにおいて『元TVディレクターによるメディア戦略セミナー』が開催された。不景気の世相を反映してか、「0円PR術」を学ぼうという参加者は多く、会場には約140人が集まった。
今回のセミナーの主催者である(有)ラグズPR9運営事務局によると、当初50名を予定していたというが、約3倍の参加者で立ち見が出るほどの盛況ぶり。
『テレビ番組という形を借りた、見えない広告』への需要は、年々高まりを見せているという。
それは“0円PR”とも言え、地方ローカル局の番組で取り上げられるだけでも効果のほどはかなりのものだという。
1度取り上げられると、集客はおろか、他局からはもちろん、新聞や情報誌などの紙媒体からも取材が来るなど、その波及効果は計り知れない。
PR手法の中でもっとも多いのがニュースリリースで、テレビ局では情報収集にあたる際、なんと約60%も活用しているのが現状だからだ。
例えば見出しの付け方一つをとっても、『東京のある会社が福岡にお店を出す』というタイトルと『九州初上陸』では意味は同じだが、捉われ方は大きく違ってくるそうだ。
どんなにすぐれた商品であっても、そのPR手法を間違えば、資料はごみ箱に直行。番組に取り上げられることはおろか、担当者の目に留まることすらない。
今回のセミナーは、福岡で数多くの報道番組のアナウンサーやディレクターを経験した廣橋奈美氏が講師をつとめた。
番組制作の現場におけるネタ選びの現状のほか、取材担当者の好奇心をくすぐる効果的なプレスリリース作成術、企業が広報室や広報担当者を置く重要性などの話がなされ、訪れた企業経営者は熱心に話に聞き入っていた。
来場者の多くは、「大変参考になった。今後、ニュースリリースというものを真剣に考えていきたい」、「とても勉強になった。」などの感想を述べていた。
【矢野 寛之】
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