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特別取材

地理的な優位性を活かし、付加価値の高いサービスを(3)
特別取材
2009年4月29日 08:00

九州地方整備局 港湾空港部長 梶原康之氏

090423_kouwan.jpg地方分権の流れもあり、港湾整備における国の関与は次第に縮小。そうした中、博多港では国際水準の港湾サービスの実現に向けたアイランドシティ地区のコンテナターミナル整備や老朽化した須崎ふ頭の機能アップなど、国が直轄する港湾整備が着々と進む。国の港湾行政の中で博多港はどう位置づけられ、整備されているのか。九州地方整備局港湾空港部の梶原康之部長に語っていただいた。

海外ハブ港は積替で伸長

――国内の海上輸送の推移と見通しは?
 梶原 日本の港湾取り扱い貨物量は1997年に34億6,470万tでしたが、98年に3億tも落ち込み、99年もさらに8,000万t減りました。その頃は国内で金融破たんが続いたので、その影響だと思われます。08年は不景気の影響でまた少し減ると思いますが、全体的な傾向としては横ばいないし、微増で推移しています。外航のコンテナ貨物でみると、全世界では2.9倍増え、アジアは3.5倍増えている中、日本は1.7倍しか増えていません。日本の港では国内で消費されたり、国内から輸出する貨物を主に扱っているので、経済成長とほぼパラレルに推移するからです。日本のコンテナ貨物が増えていないのは、港湾機能の影響というより、このような取扱貨物の性質によるものだと認識しています。
――日本の港では積み替えのための貨物が少ない、と。
 梶原 そうです。ちなみに、コンテナのトランシップ貨物でみてみると、日本は貨物全体の3%しかないのに対し、釜山では44%、シンガポールに至っては82%にのぼります。トランシップの場合はひとつの貨物を2回カウントするので、統計上の貨物取扱量は実際の貨物量よりも多くなります。ただ、1港あたりの貨物取扱量でみた場合、日本は釜山などに比べて見劣りするというのはある。また、貨物量が多ければスケールメリットでコストダウンできますが、少ないとスケールメリットを出しにくい。そうした影響から、欧州や北米の長距離基幹航路の寄港が減少傾向にあります。その対策として国では東京湾、伊勢湾、大阪湾の各港をスーパー中枢港湾に指定し、船が着いてから荷物の引き渡しまでにかかるリードタイムの短縮と荷役料などのコスト引き下げで、アジアの中での競争力強化を図っています。一方で、大型化しているコンテナ船に対応できる大水深コンテナ港の整備にも取り組んでいます。要するに、海外トランシップに頼らなくていい、国際競争力のある港湾にしていこうということです。(つづく)


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