平成元年以降、玩具問屋は厳しい環境に晒されていった。トイザらスの出現と同時に、一地方に1つはあった玩具問屋が廃業や倒産、吸収合併されていった。九州に残ったのは佐賀の桃太郎と熊本の小川商店だけだった。
平成6年、桃太郎と取引のあったハピネット(バンダイの卸部門)が、問屋の再編をしようと勉強会を始めた。コンピューターを二店間でつないで共同物流、共同配送をするためだ。平成12年をメドに、桃太郎と小川商店の2社を合併することになった。その先鞭として、平成11年に株式会社桃太郎と株式会社桃太郎サービス(旧・有限会社桃太郎小売部)が合併。翌年、桃太郎が小川商店を吸収合併するという形となった。
「相手も老舗だから桃太郎という名前のままではカドが立つ」との理由から、平成12年6月1日の合併後は株式会社JP九州として出発。代表は桃太郎の御厨奉彦氏が務め、売上高は40億円規模となった。
しかし合併直後、あるホームセンターに対して焦げ付きが発生。旧小川商店の主力得意先に手形から現金への決済方法の変更を申し入れていたが、これらの得意先が立て続けに破綻。売上高が4割ほど減少するのは避けられない状況となってしまった。
そうした中、「2~3年は持ちこたえられるだろうが、体力があるうちに任意整理して廃業した方が良い」と取締役会で決議。平成13年5月31日付で任意整理した。「佐賀の小売部の在庫整理のため、商品を目いっぱい売った。卸部門の商品がなかなかさばけなかったが、臨時閉店セールなどで売りきった。おかげで社員の退職金は規定額にプラスして払えた。博多桃太郎は別会社だったから直接関係はなかったが、系列会社というのは周知だった」(徳久)。
全ての整理を終えたのが平成17年。債権者にも100万円以下は全額保証、それ以上は55%の返済ということで納得してもらった。「債権者の皆さんにはご迷惑をおかけしたが、きちんと対応できたおかげで訴訟などは一切無かった。むしろ、今のガラガラの商店街の現状からしたら桃太郎の判断は正しかったという人もいる。早めにけじめをつけた御厨社長の判断は正しかったのだろう」(徳久)。
こうして、博多桃太郎は現在に至る
~つづく~
JR博多駅で九州~山口の≪地域限定≫キャラクターグッズを数多く取り揃えている(株)博多桃太郎。その同社の歴史を余すところなく書き記した本が完成しました。無料で配布しておりますので、御入用の方は092-431-6575(名店街店)までお問い合わせください。 【語り手】 西村徳蔵 <(株)博多桃太郎 相談役> 西村信子 <徳蔵の妻、徳久の母> 西村徳久 <(株)博多桃太郎 代表取締役社長> 【書き手】 大根田康介 <(株)データ・マックス記者> 【写真提供】 (株)博多ステーションビル 博多駅ビル名店街・地下街商店会事務局 |
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