静岡県警浜松中央署は4月9日、積水ハウスの元社員で二級建築士の五十住肇容疑者を有印公文書偽造などの疑いで逮捕した。
　五十住容疑者は、積水ハウスの建築士時代に確認申請の代理業務に携わった浜松市内の一般住宅6棟と集合住宅3棟、住宅展示場の住宅1棟の計10棟に対して、2007年4月から08年8月にかけて、住宅が都市計画法に適合していることを示す証明書8通を偽造し確認申請書に添付して民間の確認申請機構に提出し、建築確認を受け、浜松市長印が押された証明書を偽造した疑いが持たれている。
　これは、積水ハウスが浜松市内に住宅を建てる際、住宅が都市計画法に適合していることを示す証明書で、五十住容疑者は偽造した証明書を確認申請図書に添付して民間の確認検査機関に提出し、建築確認を受けていた。
　県警の取り調べに対し、五十住容疑者は容疑を認めている。
　この問題は、08年11月に住宅の担保価値を調べていた金融機関が、建築確認の内容について浜松市に問い合わせたのがきっかけで、指摘を受けた浜松市の調査によって発覚した。
　その結果をもって浜松市は09年2月に五十住容疑者を刑事告発。積水ハウスは09年1月に同容疑者を懲戒解雇し、3月6日に元社員の五十住2級建築士を静岡県警に刑事告発したと発表していた。（告発日は2月25日付）
　同建築士は、確認検査機関が発行する確認済み証3通と検査済み証2通も偽造していた。検査済み証を偽造した住宅2棟は、建築確認の手続きを一切行なわないまま施主に引き渡していたという前代未聞の事件である。
　積水ハウスは、名古屋市等のマンション建設現場に管理者を常駐させていないことで摘発を受けて営業停止処分を受け、更に昨年7月には広島市で建築確認を申請しないままアパートを設計していたことが発覚したばかりである。
　今回の件を含めて積水ハウスに自壊作用が起きているのではないかと思わせるほど次々にコンプライアンス違反事件が起きている。

【石崎】

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