「やせる細胞がふえる」と医薬品のような効能をうたってダイエット食品を販売していた健康食品販売会社「ベルファイン」の元女性社長が11日、薬事法違反の疑いで警視庁に逮捕された。
薬事法により、「治る」「よくなる」など、薬理作用的効果・効能に類する表現を規制されてきた健康食品。今年6月に施行される改正薬事法によって「医薬品等適性広告基準」も一部改正・厳格化され、身体の具体的な変化に対する表現、間接的な含有成分の表示、生薬名表示までもが規制の対象となる(一部のいわゆる『トクホ』食品は対象から除外)。
例えば、「血液サラサラ」「二日酔い防止」「美肌」など、テレビ通販や雑誌の広告などでこれまでよく目にしてきた表現は「体の具体的な変化」となりNG。また、「植物エキス○○(保湿成分)配合」などの成分表示にもさらなる規制がかかるため、従来にも増して商品訴求表現の抽象化が懸念される。
この不況の折、それでなくても厳しい広告業界。ありとあらゆる表現手法を用いて規制をかいくぐり(?)、出稿量も旺盛であった健康食品業界の広告が、改正薬事法の施行で減少する可能性は高い。規制を全て乗り越えて顧客への新たなアピール手法を開拓した企業が、今年後半のヘルスケアビジネスを制する、というところだろうか。【烏丸】