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吉田宏福岡市長 |
ことの発端は、吉田市長の空港問題に対する優柔不断と、増設案が公表されてからの子どもじみた態度。選挙当時は「新空港はいらないと明言する」と歯切れがよかった市長だが、就任以後は空港問題についてだんまりを決め込んだ。公約違反との批判があがる中、麻生知事の決断に乗っかる形で決着したかに見えたが、民主党県議団が反対する同空港の将来への調査継続にも賛成。さらに、新北九州空港の増設について「聞いてない」と駄々をこね、激怒した麻生知事によって会見場から締め出されてしまった。知事の顔に泥を塗った政治オンチぶりには、県連幹部もあきれたという。
さらに民主党県連幹部を悩ませているのが吉田市長の不人気。こども病院人工島移転問題をめぐっては、多くの市民から批判を浴びている上、公文書毀棄で刑事告発されるというおまけまで付いた。福岡市政史上初めての事態といっても過言ではない。自らの選挙公約を平然と破り、施策も事件処理も他人任せ。人工島、こども病院、空港、子育て、教育、どの問題についても吉田市長の考え方や市民への思いが伝わってこない。「(市長は)福岡市に対する愛情がない。北九州に帰ったらどうか」と言い放つ市OBの言葉は、多くの市民の声を代弁しているのかもしれない。そうした市民の市長への不満は、推薦した民主党へ向けられる。総選挙に立候補を予定する民主党候補の当落にまで暗い影を落とす状況に、県連幹部も黙っていられなかったという。県連常任幹事会の席上、市議団の代表と県連幹部の間は、一触即発の状態だったとされる。もちろん、県連幹部の怒りは、吉田市長の政治姿勢とそれを支える市議団に向かったものだ。
民主党関係者の話によると、県連内部には吉田市長に対する推薦を取り消すべきとの意見もあるという。民主党が次の市長選挙で吉田市長を支えることは難しい情勢になっているということだ。市民からの厳しい視線を意識してか、福博の財界も吉田市長と距離を置く。連合内部も一枚岩ではないといわれる。肝心の市職員のなかには、公然と市長批判を口にする職員も少なくない。四面楚歌とはまさにこのことを言うのだろうが、吉田市長を擁護する市民の声は皆無に近い。見放された市政トップは、それでも残りの任期を務め上げるのだろうか。
【市政取材班】
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