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西松建設事件はどうなった 「小沢辞めろ」の声にあえて問う
政治
2009年5月 1日 13:26

 西松建設による違法献金事件で小沢民主党代表の公設第一秘書が逮捕されて、2カ月が過ぎた。しかし、自民党側への捜査は進んでいる気配さえない。すぐにも自民党側への捜査が始まるかのような記事を書いた大手マスコミも沈黙したままだ。二階経済産業大臣の事務所家賃に対する疑惑はどうなったのだろう?
 無責任な記事についての検証がなされないまま、相変わらず小沢代表への責任論しか出てこないことに違和感を覚える。断っておくが、小沢代表を擁護しているのではない。事が「政治と金」の問題である以上、全てのケースについて同じように徹底究明すべきではないかということだ。一方を放置して、野党党首の辞任だけを煽るマスコミに疑問を感じる向きは少なくあるまい。検察の姿勢にも問題はあるが、西松建設事件を「国策捜査」に仕立てているのは大手マスコミの報道姿勢ではないだろうか。

 外形上の事実だけを見れば、森元首相や尾身元財務相らの資金管理団体も小沢代表の資金管理団体「陸山会」同様、西松建設による政治資金提供を受けている。同じ政治資金規正法違反であるなら、事情聴取があって然るべきであろう。野党側だけを狙い打ちしたのであれば、やはり検察を使った国策捜査だったと思われても仕方がない。取材現場の記者たちからも、自民党側への捜査がないことについて疑問の声が多い。しかし、そうした論調の記事は皆無であり、小沢代表の進退を向うものばかりだ。「辞めろ」というのなら、検察の姿勢や自民党側の問題についても同様に追及すべきだろう。

 ところで、民主党の中からも相変わらず小沢代表の責任を問う声があがっている。民主党関係者からは、連休明けにも何らかの動きがあるとする声が多い。これまた「辞めろ」ということらしいが、なぜ自民党の政治家への説明責任には言及しないのだろう。自民党側の政治資金問題を扱うことに躊躇する必要はないはずなのに、これではますます「小沢氏側はクロ」との印象をもたれてしまう。なにをやっても中途半端な民主党に対し、有権者側も腰を引き始めている。小沢代表側が無罪を主張している以上、裁判の結果を待つしかない。
 何かあるたびに代表を交代させてきた民主党と、総理・総裁の首をすげ替えて延命を図ってきた自民党に、大して違いがあるとは思えなくなってきた。郵便料金割引制度の不正事件、新型インフルエンザと次々に新たなニュースが氾濫するなか、西松建設事件への疑問は日に日に薄れていく。「小沢辞めろ」の声だけが残るようなら、政治と金の問題はまたしても先送りということになる。

【頭山】

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