九州地方整備局 港湾空港部長 梶原康之氏
地方分権の流れもあり、港湾整備における国の関与は次第に縮小。そうした中、博多港では国際水準の港湾サービスの実現に向けたアイランドシティ地区のコンテナターミナル整備や老朽化した須崎ふ頭の機能アップなど、国が直轄する港湾整備が着々と進む。国の港湾行政の中で博多港はどう位置づけられ、整備されているのか。九州地方整備局港湾空港部の梶原康之部長に語っていただいた。
海に親しめる場の確保を
――国の機関として、博多港への今後の関わり方は?
梶原 国家的な観点から海上輸送の拠点として必要な基幹施設を整備し、保有していくということは今後も行なっていきます。具体的には、港の物流の水準を国際水準に保つための大水深のバースをもつということ。そうしなければ、国際標準の流れから取り残され、いくら貨物があっても基幹航路が寄航しなくなってしまいます。また、港湾サービスについてもさまざまな支援ツールをつくってバックアップしていく方針です。さらに、老朽化した港湾施設については、今の国際標準に見合う施設にリニューアルしていかなければなりません。すでに現在、水深11mの須崎ふ頭を水深12mにするための改良工事を進めていますが、こうしたことは今後も行なっていく方針です。
――最後に、博多港に対する期待を。
梶原 ひとつは、西日本の物流拠点として今後も発展し、福岡都市圏の活性化を支えていくことを期待したいですね。また、物流以外では市民が海に親しめる場所の確保も大切だと思います。博多港は壱岐、対馬といった離島航路があり、生活を支える拠点になっている部分もありますし、市民がイベントやショッピングを楽しむことができるスペースもあります。そういうスペースのように市民がもっと港や海に近づきやすくなるような取り組みにも期待したいと思います。(了)
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