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特別取材

国内外のポートセールス活動で 博多港の振興と発展を目指す(3)
特別取材
2009年5月 5日 08:00

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(社)博多港振興協会 会長 角川敏行氏

博多港に関わりのある運輸や倉庫、商社、船社など229社で構成される(社)博多港振興協会は、国や市に対する港の整備の要望活動や国内外でのポートセールス活動を通じ、博多港の振興と発展に大きな役割を果たしてきた。アジアでは巨大港湾の整備が進み、港湾間競争も激化。そうした中、博多港がこれからどのような方向を目指すべきか。角川敏行会長に話をうかがった。

機能性とサービスのよさ浸透

 >――これまでのポートセールスで上がった成果については?  角川 ポートセールスは地道な活動の積み重ねが何よりも大切で、ポートセールスを行なったからすぐに成果があらわれるというものではありません。ただ、北米や欧州との長距離基幹航路がある釜山や上海と博多港がフェリーや高速貨物船で結ばれ、港湾機能や各種サービスも充実しているという特長がユーザーの間に浸透してきているという手ごたえは感じています。
一方、C2バースの部分供用開始で長距離基幹航路を誘致するための最低限の条件は整いました。長距離基幹航路ではコンテナ船の大型化が進み、寄港地を限定していく方向にあります。しかし、物流コストの低減やリードタイムの短縮といったことを考えれば、港としては本船に寄港してもらうことが望ましい。そこで当協会としては、今後も長距離基幹航路をもつ船社への働きかけも引き続き行なっていこうと考えています。

 ――一方、福岡は港町であるにも関わらず、市民の間にそういう意識が薄い気がします。国内外の荷主さんや船社に対するPRと同時に、市民に対するPRも必要ですね。
 角川 その通りだと思います。港湾関連産業は福岡市の市内総生産の約3割にものぼります。この割合は日本を代表する港町の神戸と同じレベルなんです。しかし、神戸では市民の間に港町という認識が強くあるのに対し、福岡の場合はそれほどでもありません。その要因のひとつとして挙げられるのは、博多港がこれまで“港=物流”という観点から整備が進められてきたということにあろうと思います。
 しかし、国際クルーズ船が寄港する頻度も増えているなど、人流や都市機能といった観点から港を整備していく必要性もすでに出てきています。その意味では、中央ふ頭や博多ふ頭、須崎ふ頭の再開発もさまざまな角度から検討していく必要があると思っています。(つづく)


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