8日、米イリノイ州シカゴ在住の日本人男児(6歳)が新型インフルエンザに感染していたことが明らかとなった。閣議後の会見で中曽根外相が公表したものだが、肝心の厚生労働省の動きは極めて鈍かった。
9時半の段階で確認したところ「日本人の感染者はいません」。午後1時過ぎに再度確認すると「外務省に聞いてください」。ずいぶん無責任な対応である。
厚労省として確認していないのかと聞くと「こちらは国内対策をやっているんですから」と突き放されてしまった。ふざけた話である。邦人であっても外国在住なら関係ないというのか、と問い詰めると「今、確認中」と言い出した。
縦割り行政の弊害といえばそれまでだが、午前中から報道が相次いでいるにもかかわらず、半日経っても「確認中」とはお粗末すぎる動きである。
先日は、国内初の感染が疑われるケースで「横浜市に聞いてください」と逆ギレした舛添大臣同様、職員まで血が上っているらしい。新型インフルエンザについての冷静な対応を呼びかける同省だが、邦人の動向くらいは「冷静に」把握するべきである。
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