「こども病院の人工島移転撤回を求める市民会議」(代表世話人:羽田野節夫弁護士)は9日、現こども病院(中央区唐人町)と移転予定地の人工島(東区)まで市内各区役所から車でどれくらいの時間や距離がかかるかを計る「こども急患公開ラリー」を行なった。
これは同会議が、いちばんの課題となっている交通アクセスを実際に体験してもらい、市民にアピールするために実施したもの。約80名の参加があった。
当日は、市役所と各区役所を2台で同時に出発し、それぞれ現こども病院と予定地の人工島へ向かった。いちばん短いコースを選び、都市高速を使った結果、時間が短縮されたのは東区で、現病院まで20分、人工島まで14分という結果で、他の区はいずれも時間が多くかかった。一番差が大きかったのは城南区役所で、現病院まで7分、人工島までは28分となった。
また予定地の人工島への距離は、現病院と比べ、各区役所から遠くなり、移転地の東区からでも1km、最大では早良区役所の12,6kmもあった。
一方、タクシー料金も東区を除く全区で高くなり、早良区役所からでは現病院と比べ、5,200円と大幅に高くなることも同会の調べでわかった。参加者からは「1分1秒を争う急患にとってはアクセスリスクが大きい。また都市高速も渋滞の問題もある。タクシーで通院となると経済的な負担もとても大きい」との声も聞かれた。
同会では、こども病院の移転問題は解決していないことを訴え、特に市議会は市政をチェックする義務があるとし、議会に百条委員会の設置を求める請願署名を進めている。11日から16日までと、18日から 23日まで昼休み時間に天神の旧岩田屋前で署名活動を行なうことにしている。また30日の1時から福岡市民会館でこども病院に関するシンポジウムとデモ行進も予定している。
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