CRC 企業再建・承継コンサルタント協同組合による 「企業再生の現場から!!」
経営は人なり!! 資金対策は最も経営者の人間力が問われる!!
とくに最近では、「赤字経営であることに加え、多額の借り入れが財務状況を圧迫し、現状のままでは次の代に引き継げない」といったケースが増えています。「破産や民事再生などの法的な手法ではなく、会社分割や営業譲渡(「第二会社方式」といわれる再生スキーム)によって身軽になりたい」といった相談も珍しくありません。
第二会社方式というのは、会社を良い部分(もうかっている事業)と悪い部分(金融負債ともうかっていない事業)に分け、良い部分のみを新しい会社に引き継ぎ、残った会社(悪い部分)を金融負債ごとつぶしてしまうやり方です。
一見乱暴で、いわゆる「債務逃れではないか」と思われるかもしれませんが、一定の条件を満たしていれば、「民事再生のような法律を使わない私的再生手法」として中小企業庁も認めています。
また2009年度には、産業活力再生特別措置法や税制でも、さまざまな優遇措置(建設許認可などの引き継ぎ条件緩和、債務免除益課税の優遇措置など)が認められるようです(詳細は中小企業庁のホームページをご覧ください)。
一方で、銀行から見るとこうした手法はどうでしょう。どのような場合にこれらを認めるのでしょうか。
まず大前提として、(1)何もしなければ倒産(債務者区分の「破綻懸念先以下」であり、かつ再建不可能)の道しかないこと (2)旧会社の経営者(多くの場合連帯保証人)が経営責任を取り、新会社の経営にタッチしないこと (3)しっかりとした事業計画があり、資金面でも間違いなく営業継続可能(例えばスポンサーなどによる運転資金確保など)であること―が必要になります。
地域経済や雇用の維持といった役割も担う銀行としては、ある会社が近い将来倒産し、貸し倒れとなることが確実であったとしても、事業の継続と従業員の雇用が間違いないという条件で、第二会社方式による再生を許容する用意があるのです。
銀行を無視して無手勝流に会社分割や営業譲渡を行なった場合には、あとで銀行から反対されたり、場合によっては新会社に対して裁判手続などの強硬措置を取られてしまいます。実際に経営が立ち行かなくなった事例も多くあります。事前に専門家に相談すべきです。
このほか、逆に周辺企業から「自分の会社を購入してほしい」と相談される場合も増えているようです。ただし、例えば熟練工などを育てるのに10年以上掛かるような業種の場合には、「すぐに欲しい」と思ったとしても、その会社をそのままの状態で購入すべきではありません。
必ず専門家に相談するとともに、事業再編と会社分割などを経た分割後の会社の購入を検討するようお勧めします。
CRC 企業再建・承継コンサルタント協同組合
協力: 建通新聞社 http://www.kentsu.co.jp/
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