既報の通り、5月11日の決済が不調に終わり、民事再生法の適用を申請した(株)八幡ハイキャスト(本社:北九州市八幡西区)。工業地帯の一角にある同社には破綻を知らせる「張り紙」もなく、事務員だけが電話対応に追われていた。
1932年(昭和7年)に創業した同社は上下水道管や産業用機械の鋳鉄製品の製造を手がける老舗企業として名を馳せていた。主力販売先は大手メーカーが中心で安定した受注量を確保していた。
しかし、今年1月に民事再生法の適用を申請した(株)ハタリー精密(福岡県岡垣町)に2,236万円が焦げ付いたことで、問い合わせが増加した。当時、取材をすると「弊社は売上高の約7割が旭鉄工からの受注です」とコメント。旭鉄工側も「鋳鉄に関しては同社にしか出来ない技術があるため、支援する」との内容であった。
周知の通り、4月30日に旭鉄工(株)は負債総額96億6,403万円で破産の申請をしたことで、再び同社に対する問い合わせが増加した。
(つづく)
【新田 祐介】
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