ベスト電器は、福岡に大々的に進出してきたヤマダ電機・コジマに対抗して大型店舗を福岡などに作り続けた。地元NO.1企業として市場の大きさを知っているはずのベスト電器が、である。その結果、不採算店は現在の本社のような有様。同社はあの手この手で売上高を上げるものの、価格競争に巻き込まれ採算が悪化、危機が叫ばれるようになって久しい。
福岡都市圏もヤマダ電機に市場を席捲されてしまった。2007年9月にはヤマダ電機から買収まで仕掛けられた。同社はベスト電器の発行済株数の6.4%を取得、同社の山田昇会長(当時社長)は「ベスト電器の株を40%まで買い進める」と豪語した。
そのためベスト電器はヤマダ電機に対抗すべく、ビックカメラに駆け込んだ。ベスト電器は急遽同社と資本業務提携を締結、同社に第3者割、当増資により9.3%の株を取得してもらった。その後ヤマダ電機も買い進めたものの8.2%の持株比率でストップしたままである。
ベスト電器は08年8月所有していた自己株式をビックカメラに割り当て、ビックカメラの持分はその時点で14.8%の筆頭株主となった(その後市場からも購入して15.03%)。
07年当時、ヤマダ電機にとって、ベスト電器がそんなに魅力的な会社だったとは考えられない。ベスト電器が唯一同業他社に先んじている事業は海外事業であるが、当事業の人材もヤマダ電機は既にごぼう抜きしているとの話もある。
(つづく)
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