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特別取材

【トップインタビュー】「(株)アイケンホーム」代表取締役 中島厚己氏(1)
特別取材
2009年5月12日 14:20

妥協しない、地に足をつけた経営
ニーズに応える理想のアパート創り

アイケンホーム(株)代表取締役中島厚己氏
アパートの企画販売会社である(株)アイケンホームは、これまでにメゾネティックシリーズのアパートを数十棟手掛けてきたが、全て入居済の状況だという。また同社の物件の入居者は、アパートでは珍しく女性の比率が高いことも特徴である。同社の代表取締役中島厚己氏に、詳しいお話を聞いた。(聞き手:宮野 秀夫)

所在地:福岡市中央区草香江2-4-15
設 立:2006年8月
資本金:1,000万円
業 種:木造アパートの企画販売


女性の視点に軸足
理想のアパートを目指す

 —まず、会社設立の経緯からお聞かせください。

 中島 私は以前も同じ業種の会社に勤めていたのですが、その頃から自分のなかにアパート創りの理想形のようなものがありました。その理想のアパートを創ってお客様に提供していくには、やはり自分でやっていくしかないという思いが強く、それで自分で会社を興したのがスタートになります。

アイケンホームが手掛ける木造アパート
 —その理想のアパート創りですが、例えばどのような面にこだわっていますか。

 中島 お客様の大切な財産を創ることになりますので、基礎、壁などの構造上見えない所にも時間をかけ、丁寧に創っています。例えばキッチンなどの水廻りはパナソニックさんなどの一流メーカーのものを使っていますし、オートロックドアも分譲マンション並の丈夫なスチールドアを使用しています。屋根に関しても、コロニアルで張れば単価は安いのですが、「いかにも木造アパート」というような外観になってしまいます。そこで弊社では、瓦棒のフラットに近い屋根で、四角くビルっぽく創っています。買っていただいたオーナーさんからも、「木造アパートには見えない」と好評です。

 —入居率が100%とのことですが、それもやはりこだわりあってのことでしょうか。

 中島 弊社の入居者の特徴として、女性が多いというのが挙げられます。男性に比べて女性の方がチェックが厳しいので、そういう厳しい人に軸足を置いたアパート創りをすることが、アパート経営のポイントになると考えています。例えば、女性は防犯上の理由から1階の部屋を敬遠しがちですが、弊社のアパートは1階のベランダを高くしたりオートロックドアを取り付けるなどして、女性が借りやすくしています。
 やはり厳しい人から支持されるものを創らないと、年数が経つにつれ空き室が目立ってきてしまいます。ですから、男性と女性では女性に軸足を置きますし、社会人と学生では社会人に軸足を置いています。

 —他社ではまだそこまで明確にターゲッティングしていないようですね。

 中島 していないというか、したくてもできない、というのが正解だと思います。そこに軸足を置こうとすると、どうしても建築コストが上がってきてしまいますし。こだわりたいと思っても、設計段階からかなりの工夫が要求されます。かゆいところに手が届くような設計ができるかどうか。そこがポイントになると思います。
 弊社の場合は、コスト面では利益率をかなり削ってでも、そういう理想のアパートを創ろうとやっています。アパートはとにかく入居者に支持されることに尽きます。もちろん赤字では創れませんが、入居者に支持されるために建築コストや利益率などをある程度は度外視しなければ、本当のニーズには応えられるはずがないと思っています。

 —管理の面でも色々と素早い対応をされているそうですが。

 中島 弊社の管理物件では家賃滞納者が一人もいません。普通の管理会社であれば月末まで待ってから督促するのでしょうが、弊社の場合は月初めには素早く督促を行なっています。取っ掛かりをいかに素早くするかが、滞納者を出さない秘訣だと実感しております。
 また、弊社ではどんな小さなクレームでも100%対応しています。そういうことの積み重ねで信頼を得ていくことができますし、お客様のためだけでなく、ひいては自分たちのためにも繋がってくると思います。

―つづく―


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