旭鉄工(株)が破綻した後、同社に直接取材を試みたが、「担当者がいない」という理由でコメントは得られなかった。というのも、同社の本社は北九州市八幡西区であるが、工場は大分県中津市にあり、通常、社長も中津にいるためであった。
関係者が注目していたのは、同社の5月11日の決済。この一点であった。取材過程でメイン行に支援要請をしている、または親族の定期預金を解約するなどという情報が錯綜するなか、11日の決済は不調に終わり、民事再生法の適用を申請した。老舗企業として卓越した技術力を持っていた同社。しかし、旭鉄工(株)1社に対する依存度が高すぎたことが今回の事態を招いた。
同社と旭鉄工㈱は一蓮托生であったと言えば、それまでである。しかし、「事前に有効な策を打てたはず…」。そんな思いが去来した今回の破綻劇であった。
(了)
【新田 祐介】
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