一般競争入札で「辞退」の不可思議
今年2月16日、八女市町村会館のリファインによる建設工事の入札が行なわれた。入札予定価格は16億7,500万円、最低制限価格は14億5,600万円である。開札は翌17日だったが、入札結果は驚くべきものだった。
入札に参加した8JV(共同企業体)のうち、7JVが「辞退」、1JVは予定価格を1億7,500万円もオーバーする金額で応札したのである。事実上、業者側がそろって八女市の積算根拠は間違っていると宣言したようなものだ。
ちなみに、同市のホームページ上に公開された「入札結果表」が次のものである。
八女市町村会館に関する工事は隣接する中央公民館の工事とともに「交流センター1」「交流センター2」に分けられている。市町村会館の工事は「交流センター1」である。
昨日報じたように、八女市は同工事について「一般競争入札」を採用している。予定価格を公表した上で「設計図書」を業者に示し、のちに応札への意思表示をしたJVが入札に参加するものだ。つまり、予定価格も設計図書も確認したうえで手を上げているのである。予定価格が気に入らなければ手を上げる必要などない。
しかし、現実には「入札結果表」のとおりに、8JVが入札へ参加するとの意思表示をしながら、事実上すべてのJVが辞退を申し出たのである。この段階で、すべてのJV間で「談合」があったとの疑いが生じる。つまり申し合わせて入札そのものを頓挫させるというものだ。なぜ入札を不成立に導かなければならなかったのだろう…。
つづく
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