広告収益の落ち込みで経営が悪化する米新聞大手ニューヨーク・タイムズの2009年1-3月期は最終赤字7400万ドル(前年同期は最終赤字33万ドル)となった。同社は3月には本社ビルを売却しており、人員コストの削減や事業部門の統廃合も検討が進んでいるという。
広告への依存度が強い従来のメディアは、大量のスタッフを抱えながら、大手スポンサーに対する遠慮や、常に高い視聴率や販売部数を取らなければならないという縛りを受ける。必然的にその報道内容は、ジャーナリズム本来の役割とは乖離する場合もある。
そうした中、テレビ朝日ニュースステーションやTBSニュース23などに独自取材に基づくリポートやドキュメンタリーを提供してきたビデオジャーナリスト神保 哲生(じんぼう てつお)氏は、新たな事業モデルでメディアの運営を拡大し続けている。
同氏は「日本にも広告に依存しない独立系の民間放送局が必要」として、2000年1月にニュース専門のインターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」を設立した。「報道本来の役割を全うするためには、広告に依存しない収益構造が必要となるが、そのためには、多くの視聴者の方々に浅く広くサポートしてもらうシステムを作る必要がある」と考え、同サイトを月額525円(税込み)の有料会員制としている。会員数はすでに1万を超える。
▼インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」
http://www.videonews.com/
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