「エヌケイ」問題後に清算されたベストハウジング
ベスト電器は不動産事業も行っている。戸建分譲や、「ベスタシリーズ」として分譲マンションを開発しているが、方向性が定まらない。2005年12月に清算したベストハウジングという会社を、ハウジング部門として抱えていた。しかし、分譲やリフォームを行っていたが旨くいかず、ベスト電器の店舗設計・施工を行っていた。
そうしたなか、ベストハウジングは、それまで下請け先と直で打ち合わせして発注していたが、1999年頃から打ち合わせは従来どおり、伝票だけをいきなり「(株)エヌケイ」(市野紀子代表、内装工事業)という会社通しにした。しかし、そのエヌケイが02年4月に約14億42百万円の負債を抱え破綻、多くの下請け先が焦げ付く結果を招いた。従来からの下請け先は、その後もベストハウジングと図面打ち合わせをしており、ベストハウジング=ベスト電器の都合?で、伝票だけが会社内容も殆ど分からないエヌケイ通しになって焦げ付いた。その怒りは親会社のベスト電器に向けられた。ところが、ベストハウジングもエヌケイに2億60百万円の債権を有していたとして、エヌケイが自己破産申請するまでに、同社が支払うべき工事代金を相殺したことが発覚。なおさら下請け先は激怒し、その結果、ベストハウジング=ベスト電器は強行態度を取った一部の債権者に対して工事代金を支払ったとされている。
エヌケイの破綻は、不渡りから準破産申し立て(その後自己破産)まで1ヵ月以上の時間が有り、水面下で色々な画策があったとされる。今話題の循環取引も、エヌケイ、ベストハウジング、超大手印刷会社間で行われていたと言われている。
エヌケイ破綻の大きな問題は、エヌケイとベスト電器およびベストハウジングの経営陣との間に、癒着があったのでないかとされたことである。
当時、ベスト電器はヤマダ電機の攻勢を受け、大型店舗の新設や既存店舗のリニューアル工事を大々的に行い、子会社のベストハウジングに発注していた。
大きな問題なったベストハウジングはその後清算され、オール電化工事やリフォーム工事はベストサービスに引きつがれ、住宅事業は本体で行っている。
(つづく)
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