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特別取材

世界に開かれた九州の窓口「博多港」の将来像(3)
特別取材
2009年5月20日 08:00

九州国際大学 国際関係学部 准教授 男澤 智治氏
九州国際大学 国際関係学部 准教授 男澤 智治氏
 四方を海に囲まれた日本では古来より港が交易上非常に重要な役割を担ってきた。特にアジア諸国との緊密な関係が求められる昨今、港湾機能は益々需要が高まってきている。今回は国際物流論が専門で九州国際大学国際関係学部・准教授の男澤智治氏に地理的にアジア諸国に近い博多港の将来像を語って頂いた。

―SSEが就航したことで具体的にはどのような変化をもたらしましたか。

男澤 総論は高速船が就航したことで、スピーディーな荷役体制が出来上がったことです。各論としてはいくつかあります。(1)博多-上海間を28時間で運行、(2)トレーラーでの直接積み込みで3時間以内の作業が可能、(3)あらゆるコンテナに対応可能、(4)週2便定期シャトル運行、(5)SSE優先バースの利用が可能、(6)国内輸送とのアクセスが30分以内、(7)博多入港当日通関・国内輸送への当日接続が可能、などです。
つまり、これまでは博多-上海間の輸送に1週間から10日を要していた時間を大幅に短縮可能にしたことです。
 さらに言えば(6)が有効に作用しています。博多港は半径10km圏内に高速道路のインター、空港、内国航路港があります。港から、または港へのアクセスが非常に良いのです。これは福岡市の地形条件もあるのでしょうが、都市計画が功を奏したのではないかと思います。(7)は輸入通関は休日・夜間などの臨時の開庁対応が可能です。このような対応策でSSEを利用すると航空輸送と比較すると1/10から1/3のコスト削減につながるわけです。
(つづく)

【新田 祐介】



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