八女市町村会館(交流センター1)建設工事入札の告示は今年1月16日である。昨日報じた通り、その3日後の19日には、早くも八女市に談合情報が寄せられていたことになる。しかし、八女市が業者側への事情聴取を実施するのは、2週間以上経った2月5日、6日両日である。あまりにも遅すぎる。その点を八女市に確認したところ、八女市側は、入札への参加申し込み期限が1月26日だったので、その日を待って事情聴取を実施したため遅れてしまったと説明する。しかし、この説明はおかしい。1月26日から事情聴取実施日の2月5日まで10日間も空いているのだ。本来なら1月26日の入札参加申し込みの締め切り時点で、全業者を呼び出し、事情聴取を行うべきだろう。10日間も放置した理由は、全く分からない。しかも、1月19日の談合情報に記された中堅ゼネコンと地場業者の名前はピタリと一致していたのである。時間をかける理由などどこにもない。JVを組んだ中堅ゼネコンと地場業者名についての情報が確かである以上、早急に事情を聞くべきだろう。八女市の対応は、業者に対し逃げる時間を与えたようなものなのである。
ちなみに、福岡県の場合、県発注の直轄事業に関し談合情報が寄せられた場合、即日か翌日には業者を呼んで事情聴取を実施するという。もちろんマニュアルに基づくものだという。
八女市の対応が、いかに不自然なものかよく分かる事例である。
(つづく)
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