「老舗企業」、「地場トップクラスの…」。このような形容詞が付く会社なら、「信頼」が大前提となり、取引を行なう際その会社の中身については気にならないかもしれない。破綻した「高松組」(福岡市中央区)は1916年創業(1941年設立)の「老舗企業」で、2007年3月期には100億円超の売上高を計上するなど「地場トップクラス」のゼネコンとして名を馳せた。同社には、まさにこの二つの形容詞が付けられていたのである。報じてきた高松組破綻ドキュメント記事にあった「高松組は、老舗で且つ地元トップクラスのゼネコン、高松社長は業界団体の要職の地位にある等、優良取引先との先入観があったことは否めない」という金融機関のコメントが全てを物語る。イメージだけが先行し、一企業としての本当の評価がなされていなかったということだ。与信管理の上では、考えさせられることの多い破綻劇だった。
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