不可解な公共事業のあり方に市民の怒りが爆発した。
25日、「八女市町村会館」の入札疑惑に揺れる福岡県八女市で「三田村市長と語る八女市の未来」と題する移動市長室が開かれた。八女市は、5月15日から6月8日までの間に、同市内10か所の会場で、市長をはじめ幹部職員が出席して地域の課題や問題となっている「八女市町村会館」建設工事についての説明を続けていた。25日は、6か所目となる会場に70名以上の市民が集まり、会場に入り切れない状態となった。
夜7時30分から始まった移動市長室は、八女市側が市政の現状や施策について説明、その後市民との質疑応答となったが、長年悪臭問題で困っているという地域住民からは、県議経験者である三田村市長に不満がぶつけられた。会場がさらなる熱気に包まれたのは、この直後の「八女市町村会館」についての質疑だった。
「三田村市長は、市長選挙の時から突然『市町村会館の新築』を言い出した。リファイン案で決まっていたのに、三田村市長が就任した途端、談合情報が流れ、入札辞退や1億数千万円以上もの高値応札した業者も存在する。入札は不成立。そして市長の言う『新築案』へと流れができた。どういうことか。業者と市長に何か関係があるのか」と市民が三田村市長を詰問。三田村市長は「私は談合などには一切かかわっていない」と語気を強めたが、市民による市政批判は止まらない。
「これまでの移動市長室でも、市の説明を聞いたが、なぜリファイン案より新築の方が安いのか、さっぱり理解できない。体裁のよい説明はしているが、よく検討すると逆に何億円も余分に税金が使われるだけ」「市民は騙されない」「1会場には毎回40人ほどの市民。10会場で400人くらいにしかならない。それで市民に説明を尽くしたといえるのか」と猛抗議が続出。意見が出されるたびに満員の会場に大きな拍手が響いた。三田村市長は、声なく下を向くばかり・・・。
当初2時間程度としていた予定時間をオーバーし、市側が質疑を打ち切ろうとしたが、「もうひとりの意見を聞け」の声。マイクを握った女性は「三田村市政になって、談合など恥ずかしいことで世間の注目を集める八女市になった。何億円もの税金を投入する公共事業なのだから、必要かどうかも含めて市民の声を聞いてほしい。安心して暮らせていた八女市に混乱をもたらした市長は、もっと真剣に市政に取り組むべきだ」と悲痛な声を上げた。
会場の市民から出された「市町村会館のことは『三田村会館』と呼べばどうか」との意見に大きな拍手が起きる状況が、現在の八女市を端的に物語っている。
疑惑に揺れる八女市町村会館 |
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