社員の満足が顧客の満足に 新生する城山観光ホテル
社員の満足度が第一
―社員第一の経営ということですね。
伊牟田 組織自体も、普通のピラミッド型とは発想を変えて、一番上に地域社会とお客さまを置きます。そこに一番接点があるのは社員の皆さんです。それを支えるのが幹部社員や役員、社長です。最終的には株主さんが資本面で支えている。こうした逆ピラミッド型を想定しています。
―立場が上になるほど下を支える方になるということですね。
伊牟田 そうです。やはり、一番お客さまに接している社員が最もニーズを把握しています。これを反映させるためにも、どんどん意見をいってもらうようにしています。そうすると、社員もいままでとは違って能動的に動かなければなりません。言われたことをやるだけでは通用しなくなり、皆が自ら考えて自ら動くようになります。そうすると、士気も上がってやる気も出てきたようです。
普通はどの会社でもお客さま第一と言うでしょう。もちろん、それは非常に大事です。しかし、私はやはり社員の満足度が第一だと思います。従業員が満足しなければ、結果としてお客さまも満足しません。社員の満足無くしてお客さまの満足無しということです。
また、取引先もたくさんありますが、そことの友好で健全な関係も築いていかなければなりません。昔ながらのなあなあの関係ではなく、良い意味で緊張感を持った関係が必要です。
こうしたことをうまくやれば、結果として株主も満足すると考えています。大局的にはここがスタート地点になるでしょう。
―社員の意識改革を組織から見直したわけですね。
伊牟田 昨年10月からそうしたプロジェクトを立ち上げました。今年4月1日に社長になったとき、皆に「社員がのびのびと明るく成長できる雰囲気づくりをしよう」と話しました。基本的にはそれが原点で、そうすれば必ず業績は上がると思います。
景気が悪いとか100年に一度の危機と言われるように、たしかに経済は厳しい。ですが、まずは従業員が満足し、当社で働けて幸せだと思わせる。これがお客さまの満足に必ずつながり、口コミによる宣伝をしていただき、リピーターにもなるでしょう。そうすれば業績も上がりますし、社員の給与水準も上がって家族も幸せになります。
~つづく~
【大根田康介】
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