疑惑に揺れる「八女市町村会館」の工事をめぐって、またしても八女市側説明に重大な問題が判明した。
三田村統之八女市長は、野田国義前市長時代に決定した、現在の市町村会館の建物を利用した「リファイン」と呼ばれる整備手法について、入札が不調に終わったのは予定価格が安すぎたためとの立場をとってきた。
業者の反乱ともいえる「入札つぶし」に毅然と対応することなく、「新築の方が安く上がることが分かった」として、あっさり方針転換。市内10か所での「移動市長室」を通じて「新築案」への方針転換についてもっともらしい説明を繰り返している。最大の売りは「リファインより新築の方が安い」
しかし、データマックスの取材を通じて、市側が公表している市町村会館の新築にともなう建築工事費は、「設計会社と打ち合わせただけの概算」(市担当課)であることが明らかとなった。つまり、きちんと積み上げられた金額ではないということだ。
三田村市長が進める「新築案」に基づく「本設計」終了後の積算で、事業費総額が上がる可能性についても「否定はできない」(同)としており、三田村市長の説明が十分ではないばかりか、市民の目を欺く手法に改めて批判が集中しそうだ。
昨年11月の市長選挙以来、「新築」にこだわってきた三田村市長だが、なんとか従来の「リファイン案」を葬り去って「新築」に方針を転換しようとの思惑が透けて見える。
新築の方が安いとして八女市側が市民に示している文書や説明は、もっともらしくできているが「トリック」でしかない。この点は今後の記事の中で詳細に検証するが、決定的な根拠がないまま、巨額な公共事業の方向性が決められることは時代に逆行するものである。八女市民から起こる怒りの声に、三田村市長はどう応えるだろう。
(つづく)
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