ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

コダマの核心

激変してこそ企業寿命を延ばすシリーズ 高松組倒産から学ぶ(2)
コダマの核心
2009年5月27日 08:00

『解決能力を磨け』で危機克服
上村建設株式会社 代表取締役 上村秀敏氏

<マサカが平時の時代>
 上村社長は常日頃から社員たちに、「マサカの坂がある。いつも警戒心を怠るな!!」という危機意識の重要性を説いてきた。今回の高松組の倒産は、この「マサカの坂」に該当する。「マサカ」が日常茶飯事で起きる時代の到来を意味するのである。同社も福岡建設協力会のメンバーだ。その会長であった高松組が倒産したことは衝撃であった。予想だもしなかった事態だ。「マサカがいつでも起きる。非常時の警戒心をもって難局に対応しなければならない。一人の社員の甘い判断から、とんでもない火の粉が飛んでくるかもしれないぞ」と社員全員に注意を喚起した。
 地元、大手問わず、どのゼネコンが潰れてもおかしくない経営だ。まして、デベロッパーに関しては安心する先がない。同社もデペロッパーに関しては苦い経験をした。「まー良かろう」という甘い積み重ねが失策を招いた。会社としては二度とデベロッパーの受注をしないことを政策決定した。また、この世相を反映して片腹痛しなのは、お施主さんが萎縮し、借金することを恐れていることだ。また地元の建設業者に不審を抱いている。
 高松組とはあまり競合することがなかった。だから、巷で言われてきた同社の安値受注には直面したことはない。だが、現在の民間工事の入札の現状を目撃すると、2桁の業者が群がっている。叩き合いの惨状だ。ゼネコンにとって、引き渡し後のメンテにも責任が発生することを忘れるな!!同業が叩き合いで共倒れしたらどうなるか!!地域のインフラ整備を担う産業が壊滅してしまえば地域社会の大損失になる。この使命感を忘却したら終わりだ!!
 お施主さんも「何でも安ければ良し」という業者判定基準を捨てたほうが賢明である。高松組の倒産で後始末に追われる施主さんはご苦労されている。工事保証人を取っているということで安心できるものでもないはずだ。高松組の倒産で、「建設協力会を解散する」という意見には組しない、反対だ。協力会の会長を担える若手の人材は綺羅星の如くいる。

<絡み糸を解きほぐす能力が問われる> 
 たしかに、仕事に関する情報が減ったことは歴然たる事実だ。数少ない情報のなかから、いかに仕事に結びつけられるか、が勝負になってくる。社員には「受注になるには手間かかるという情報でも持ち帰れ!!」と命じているとか。まず、何が面倒なことになっているのかをまな板にのせる。「家族間の揉めごとがあるのか、近隣対策の問題なのか、資金付けで頓挫しているのか」と問題点を赤裸々にする。そこから解決方策を見出す。この解決能力を磨いてこそ仕事につながっていく時代だ。個人力・組織力双方のレベルアップが問われる。
 福岡はまだ恵まれている。仕事はある。九州の地方を歩けば皆無だ。それだけ経済が疲弊しているからだ。地方では大きなゼネコンの存立が不可能になる。だから、福岡に仕事探しのために進出してくる。福岡で「仕事が取れない、取れない」とぼやいている業者は、何処に行ってもやれないことは明白だ。高松組の倒産を反面教師として原則経営の原点に立ち返ることの大切さを再認識した。企業経営の使命は持続することだ。シンプルな真理である。


※記事へのご意見はこちら

コダマの核心一覧
コダマの核心
2012年12月16日 19:32
コダマの核心
2012年12月 7日 17:48
コダマの核心
2012年12月 5日 11:25
コダマの核心
2012年12月 4日 16:34
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年11月16日 09:40
コダマの核心
2012年11月 8日 10:13
コダマの核心
2012年10月30日 11:00
コダマの核心
2012年10月16日 07:00
コダマの核心
2012年10月15日 13:35
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年10月14日 07:00
コダマの核心
2012年10月11日 10:27
コダマの核心
2012年10月10日 11:06
コダマの核心
2012年10月 5日 10:11
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル