改正建築士法の全面施行により一定規模以上の建物、つまり構造計算適合判定の対象建築物の構造設計には「構造設計一級建築士」の関与が義務付けられる。戸建て住宅などを除く、多くの建築物が対象になると見込まれており、地域によっては有資格者がほとんどいないといった状況が生まれているのは、前回述べた通りである。
そうしたなか、福岡市西区に拠点を置く「協同組合 建築構造調査機構」は、構造設計に関わる人や企業すべてを対象とした、建築士の新しい事業のあり方を提案する。同組合の代表理事・仲盛昭二氏は、過去に多くの構造設計を手掛けてきた経験と「構造設計一級建築士」の資格を生かして、新しく「構造設計一級建築による法適合の確認」の受け付けを開始した。
仲盛氏は以前、サムシングという設計会社を経営し、構造設計の分野では福岡地区のシェア70%を誇っていた。その後は、姉歯事件が引き金となって行政との孤独な戦いを強いられた経緯がある。「結局は私の構造設計について何ら問題はなく、行政との問題もほぼ終結し協調的な方向に向かっている。戦いのなかで得た経験と知識をもとに、これまで以上に構造設計に全力を注ぎたい」と仲盛氏は語る。
スキームは次の通り。業務はまず(1)構造設計と(2)構造設計の法適合確認の2つがある。(1)については、構造設計一級建築士が構造設計を行なうことで法適合確認が不要となる。構造設計料は、たとえば福岡県内であれば2,000円/坪、福岡県外の九州内および中国・四国地方は2,500円/坪、それ以外は3,000円/坪で、基本最低料金は福岡県県内250,000円、県外350,000円となる(面積は建築基準法床面積、ピロティ面積含む)。
(2)については、賛助会員からの委託により同組合が構造設計法適合判定を行なう。受託は依頼主が「協同組合 建築構造調査機構」の賛助会員となることが前提で、年会費は月2,500円×12カ月=30,000円。それとは別に確認業務料金がある(下記の表を参照)。
法適合判定 確認業務料金 | 2009年5月27日 現在 |
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【問い合わせ先】
協同組合 建築構造調査機構
代表理事:仲盛昭二(構造設計一級建築士(第126973号)、管理建築士)
電話:080-5207-1386(代表携帯)
▼共同組合 建築構造調査機構
http://www.asio.jp/
~つづく~
【大根田康介】
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