福岡県飯塚市で昭和20年代から営業する喫茶「太陽」。店には門外不出のレシピで作られるカレーライスがある。当時珍しかった牛肉に生姜、たまねぎ、にんにくバターを用いたシンプルな素材で丁寧に煮込まれている。訪れた関東のカレー好きの顧客に「このカレーは無駄口をたたきながら食べるものではない。黙っていただこう」と言わしめたほどの人気メニューである。
それものはず「太陽」カレーは美食家として名をはせた元首相・吉田茂のシェフ浜田氏が直接伝授したメニューなのだ。
昭和13（1938）年、吉田茂の3女和子さんが、麻生太郎総理大臣の父・麻生太賀吉氏の元に嫁いだ。飯塚に同行してきた世話役6名のうちの一人が浜田シェフである。浜田シェフは喫茶「太陽」の近くにあった飯塚文化割烹学院でフランス料理を教えていた。
授業の帰り浜田シェフがふらりと「太陽」を訪れたことから伝説のメニューが生まれることになった。
・「吉田茂迦玲」 630円（税込）
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