福岡県や北九州市が24時間体制で新型インフルエンザへの対応を実施しているなか、夜間の発熱相談センターへの電話受付を、夜の9時までとしていた福岡市。翌朝9時までの12時間については、知らん顔で通すつもりだったようだ。弱者(市民)を守るという意識のなさを露呈した形である。これが吉田市政の実態であり、こども病院人工島移転に対する吉田市長の基本的なものの考え方を示すものであろう。
新型インフルエンザは弱毒性だが、感染力は強いといわれている。妊婦や幼児、高齢者、心臓疾患、糖尿病患者などは、感染すると重症化してしまう恐れもあるという。こうした人たちが夜間に発熱するケースは少なくない。市は指定医療機関の発熱外来での受診を徹底させるためとして、まず発熱相談センターに電話するよう呼びかけておきながら、空白の時間を作っていいはずがない。新型インフルエンザに有効とされるタミフルやリレンザは、発症後48時間以内に使用することが重要とされる。もちろん早ければ早いほど効果があるという。つまり、夜間の12時間は貴重な時間なのだ。にもかかわらず、福岡市は対応を怠ったのである。
市民からは次のような厳しい意見が出ている。「結局、こども病院の人工島移転を強行する吉田市長の考え方がストレートに出ている事例。市民のためとか子どものためとか言いながら、実際は役所の都合で動いている。こども病院は『はじめに人工島ありき』だし、新型インフル対策は形だけ整えておこうという思惑が透けて見える。相談が増えてあわてているのがその証拠。場当たり的な市政運営でしかなく、こども病院も早晩行き詰まるはずだ」。
福岡市は19日、市民からのクレームや議会関係者からの要請を受けて、ようやく発熱相談センターの受付を24時間体制に切り替えるという。問題が起きてからでは遅いということも付け加えておきたい。