松村姉妹は「カレーライス」の存在は知っていたが、食べたのは浜田シェフにつくってもらったものが初めてだった。「それはおいしかった」と久弥さんは振り返る。レシピはシンプルだ。ビーフ以外に入れるのは、たまねぎ、にんにく、バター、そして通常は入れないしょうが。これらをじっくり煮込む。浜田シェフは松村夫妻に技を伝授。たちまち喫茶「太陽」は人気の店となった。当時のカレーライスの価格は60円。うどんが30円だったので、かなりの高級メニューだった。「太陽やらでご飯食べよっと？よかねえ」。地場企業経営者は、そういうやり取りがあったことを思い出すという。現在、カレーライスは630円。ほかにオムライス、親子丼、やきめし、ハヤシライスなども伝授された。そのうちドライカレーは、とくに麻生総理のお気に入りだ。　このカレーライスを姉妹は「一食提供するのは命をつなぐ聖職」という思いで、長きに渡り地元の顧客に提供し続けてきた。

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「吉田茂迦玲」　630円（税込）
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