福岡商工会議所 常務理事 南里 勝利 氏
全国で6番目の商工会議所として1879年10月13日に創設された福岡商工会議所は今年、創立130周年の節目の年を迎える。これまで地域活性化のために“行動する商工会議所”として、さまざま支援活動を展開。今年は130周年の記念事業の一環として、アイランドシティでのウォーキング・ラリー開催など、より身近な存在として商工会議所をアピールする。その福岡商工会議所と博多港の関わりについて、南里勝利常務理事に語っていただいた。
九州新幹線の開業に期待
――人口が減少し、国内の消費市場が縮小していく中、成長著しいアジアとの交流がより重要になってきます。
南里 当会議所としても販路開拓に通じる取り組みの必要性を感じているところです。すでに、当会議所の国際部では香港やシンガポール、ベトナム、台湾などにビジネスの輪を広げるためにさまざまな活動していますが、これからも積極的に取り組んでいく方針です。その中で、博多港と連動した動きは活発になっていくでしょう。
――東アジアで巨大港湾の整備が着々と進む中、博多港はどうあるべきでしょうか。
南里 釜山や上海はスケールの大きさ、バースの数など、博多港とは比較にならない規模をもっています。そうした港に対抗していくのは大変なこと。そこで博多港は北部九州の輸出、輸入貨物を集め、釜山や上海との連携を強化していく方がいいと思います。
――そのために必要なことは?
南里 博多港に船荷が集まるように、地元財界がもっと支援していくことでしょう。そして、基幹航路を維持していかなければなりません。また、博多港は15年連続で日本一の乗降人員を誇る国際旅客港でもあります。そこで“人流”のゲートウェイとしてふさわしい整備を行ない、中央ふ頭や博多ふ頭などのウォーターフロントの開発を進めていくべきでしょう。同時に、JR博多駅や都心地区とのアクセスの見直しや「おもてなし技能」の強化が必要だと思います。
――最後に、福岡のまちの今後について。
南里 福岡は日本で最もアジアに近い拠点都市であり、港も空港もあります。しかも、2011年に九州新幹線鹿児島ルートが開業すれば、人の交流はますます活発になっていくでしょう。これを商機として、福岡はもっと発展していくのではないでしょうか。そのために当会議所としても、さまざまな支援活動を行なっていきたいと考えています。
(了)
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