日本国内でGMと取り引きをしている企業は114社。九州地区においては2社あるが、いずれも販売代理事業のため、売掛金が回収不能となる可能性は低い模様。周知の通り、国内の自動車メーカーも昨年秋以降の世界的な経済状況の悪化を受け、苦戦している。
一方で明るい話題といえば、ハイブリッド車の販売が好調なことである。今年2月に販売開始したホンダ・インサイト、5月に販売開始したトヨタ・プリウスは共に人気を博し、納車まで半年待ちの状態が続いている。また、この消費者マインドを後押ししているのが政府のエコカーに対する減税政策と言われているが、今のところ明確に数字としては表れていない。
現在、販売好調なホンダ・インサイトは鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)、トヨタ・プリウスは堤工場(愛知県豊田市)や富士松工場(愛知県刈谷市)で生産されており、北部九州の自動車関連企業には恩恵があまりないのが現状である。北部九州地区は東海地区と並び、自動車産業の集積地と呼ばれており、トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)、日産自動車九州工場(福岡県苅田町)で生産される自動車の大半が北米向けである。
今回の自動車ビッグスリーの相次ぐ破綻の影響で、北米市場の消費マインドの極端な低下が起こり、自動車の販売が急激に落ち込むことが考えられる。一方で、新たな日本車への期待感が高まり、日本車の購入が加速する可能性もある。今回の事態の推移を見るには、もう少し時間がかかりそうである。
(了)
【新田 祐介】
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