新型インフルエンザ相談票 (クリックで拡大) |
「疑いがあるから調べる」という医療の基本を無視した福岡市は、新型インフルエンザへの対応を誤りながら、その非を認めない。市民の命を軽視する市の姿勢に、憤りの声があがっている。
医療機関からの遺伝子検査の要請を拒否した市の責任は重い。一体どのようなマニュアルに従って発熱相談に応じていたのか、確認の意味で、市の発熱相談センターが相談を受ける時の『新型インフルエンザ相談票』の提供を受けた。各区の保健所ごとに若干の工夫を加えているが、この様式自体には変わりはなかった。この『相談票』に市民からの相談内容と対応が記録されており、その数は1万件を超えている。
市側のこれまでの説明からすると、今月6日までは『相談票』の「渡航歴」「接触歴」で該当がなければ、「季節性」として処理していたことになる。遺伝子検査をやるか、やらないかの前の段階で、感染者を逃していた可能性が高くなった。
海外から入・帰国や、感染者が出た地域と福岡の行き来が制限されたわけでもないのに、渡航歴や流行地についての質問で患者をふるいにかけること自体ナンセンスである。しかし、福岡市は板付中学の生徒への感染が確認されるまで、頑なに渡航歴と流行地への移動の有無で対応を決めていたという。あきれ果てた無能さである。
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