こども病院人工島移転にともなって最も懸念されている交通アクセスの問題について、吉田宏福岡市長が解決策として公言していた「都市高速道路の延伸計画」が遅れていることが明らかとなった。病院開設と都市高延伸開通の時期とにタイムラグが生じることが確実となる見込みで、改めて空白期間中の市の対応が問われることになりそうだ。
福岡市は昨年7月、国土交通省に対して「アイランドシティへの自動車専用道路の導入に係る要望について」とする文書を提出。今年2月にも市の基盤整備事業の一つに加え事業推進の要望を行なっていたが、肝心の県との協議が進んでいないとされる。
都市高速延伸は、国、県、市などの関係機関で構成する「幹線道路協議会」で数年の議論を経た後、都市計画決定がなされなければ建設にこぎつけることはできない。現在は幹線道路協議会での議論も始まっていないばかりか、市側がいう「県との勉強会」も一向に進んでいないという。新病院の開設予定は2014年3月とされるが、とてもこの時期には間に合いそうにない。
これにより病院開設から都市高延伸開通までの空白期間中、救急搬送が必要なケースでの、重大な事態を招来するおそれが強くなった。
市側はこの空白期間中の対応について、これまで何も説明していない。
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