16日、矢野経済研究所(本社:東京都中野区)が2008年度のペットビジネス市場は、前年度比2.5%増の約1兆1,300億円にのぼると発表した。02年度と比べ約15%もの伸びを示しており、この不況のなかでも、長く続いている『ペットブーム』に支えられて毎年安定した成長を続けているとの見解だ。
「ブームは新規参入を加速させ、異業種でも『ペット関連』の新商品で新たな市場を開拓します。それによってペットビジネス市場は、ここ10年で驚くほどの拡大を遂げてきました。しかし、ペットフードに代表されるように、健康を気遣った高額フードが人気を集めているとはいえ、原材料費の高騰などで値上げに踏み切るメーカーも多く、競合相手が増えたことによる販売数の伸び悩みなど、必ずしも各企業が売り上げを伸ばし成長しているわけではありません。あくまでも『市場規模が拡大』しているだけで、現場から見ると利益が薄く苦労している企業が増えたように感じます。それが実情です。いろんなアイデア商品やペット飼育可能な賃貸物件などが増え、ユーザーにとってはよい環境になっていることは間違いありませんが…」と専門誌関係者はため息まじりで語る。
華やかで上昇傾向に見られがちなペットビジネスだが、実際には他業界同様に景気がよいとは一概に言えないようだ。
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