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公取排除命令の是非を考える ~セブンイレブン編〔6・終〕
流通
2009年6月17日 11:00

値引きを認めるルールづくり

 その一つは、加盟店の廃棄ロスに対し、本部が負担するという方法である。廃棄ロス分の3割程度を本部が見てくれれば、加盟店はずいぶん助かるし、本部でもロスに対して敏感になり、緊張感が漂う。システムや商品づくりでイノベーションが進むはずだ。
 もう一つは、一定の条件を設け、値引きを容認する。今でもそうだが、バレンタインデーなどのチョコレートがイベント期間を過ぎると、値引きされて売られている。これを弁当やおにぎりにも適用し、30~50円程度値引きしてはどうだろうか。
 ただ、廃棄ロスを本部が負担するとなれば、他のコンビニチェーンへの影響は計り知れない。加盟店からは同様な要望が生まれ、本部が追随できなければ他チェーンへの乗り換えも起こり得ることだ。
 並行して、加盟店はできるだけ値引きに頼らず、発注の精度を高めることが求められる。廃棄ロスというリスクを最小限にとどめるためにも、日々の売り上げ状況から情報の収集、分析しながら、商品の発注に生かしていかなければならない。
 発注と廃棄ロスは表裏一体である。廃棄を嫌がるために発注を抑えると、
機会ロスを発生させるだけでなく、商品の開発、納入を受け持つベンダーにも影響がでる。商品の生産効率は下がり、それが開発力を下げ、ひいては本部や加盟店も影響を受けることになる。

本部と加盟店が議論し方向を見いだす

 食品を廃棄しているのは、何もコンビニだけではない。外食産業も、食品スーパーも、デパ地下もある。なのに、コンビニがやり玉に上げられるのは、24時間営業やレジ袋削減など、昨今のエコ社会から遠い存在と見なされているからだ。
 しかし、実際にコンビニはリサイクルに取り組み、少しでもエコ社会に貢献しようと絶え間ない努力を続けている。
 農水省の指導により、4年後の2013年には企業から出る生ゴミは、45%までリサイクルしなければならなくなった。これを見越してコンビニ各社はリサイクルシステムの構築に取り組んでいる。その進捗度は、他の企業よりよほど高いのではないだろうか。
 できれば本部も加盟店も値引きはしたくないし、廃棄ロスも食い止めたいのが本音だ。
そのためには、コンビニ本部が旧態依然とした契約形態に基づくシステムやコスト構造から脱却し、いろんな面でローコストを実現できるような仕組みづくりが必要である。
 そして、それを加盟店に理解してもらい、本部も痛みを被ることが、ベンダーを含めて納得を得られるベターな方策と言えるのではないか。お互いが今後も繁栄していくには、本部と加盟店が議論を重ね、一つの方向を見いだしていくしかない。
 そこに新たなコンビニの姿があり、ストアロイヤルティーが復活するのではないだろうか。

(おわり)

【剱 英雄】


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