東証一部上場で、首都圏を中心に分譲マンションや戸建住宅を販売する(株)飯田産業(東京都)。同社は、この厳しい市場環境の中でも、前期(2009年4月期、連結)では減収減益とはいえ、しっかりと黒字を確保した。同社が黒字となった理由はどこにあるのだろうか?
実際、同社も同業他社と同じく、第三四半期までは思うような成果を挙げられず、苦戦が続いていた。しかし、昨年10月以降、仕入れの厳選と共に、建設原価の削減に着手。低価格帯の住宅の提供に注力していったのである。その結果、今年2月からは最大で20%強の建設原価の削減を達成。これにより、毎月の家賃より住宅ローンの支払いが安い住宅として、他社との差別化につながった。顧客のニーズを掴んで、販売契約棟数は対前年比でも増加する状況となっている。不動産業界はまだまだ厳しい状況であるが、顧客ニーズの新たな掘り起しが生き残りのカギになりそうだ。
【宮野 秀夫】
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